フーナー(Huhner)テスト(性交後検査)について
排卵前、頚管粘液が出ていると思われる時期に性交していただき、その粘液の中に精子がどのくらいいるかを調べるテストです。
又、精子がいても運動性が悪ければ卵管までうまく泳いでいけないので、精子がどのような動きをしているかも観察します。
★ 『頚管粘液』とは、排卵日近くになると、子宮と膣を結ぶ子宮頚管が水様透明の粘液で満たされます。
精子は良好な頚管粘液の存在している時のみ子宮腔の中に泳いで進入します。
フーナーテストの判定基準
(運動精子数/400倍視野当たり)
優 15個以上 有意に妊娠率が高い
良 10~14個 妊娠は十分に期待できる
可 5~ 9個 妊娠は期待できる
不良 4個以下 妊娠率は有意に低い
頚管粘液は排卵数日前から顕著に増量し、最終低温日頃に0.3~0.4mlに達し、水様透明となり牽糸性(水飴のように粘液が糸を引く様子)も15cm以上となります。
頚管粘液の中には食塩が含まれており、乾燥後に顕微鏡で観察するとあたかも羊歯の歯のような模様が見られます。
このような定期的な変化が認められる粘液は精子の遡上に適しています。
これらの指標の中で最も妊孕性と関係が深いのは粘液量で、それがピークに達した日から4日以内に75%が排卵します。
基礎体温及び頚管粘液はいずれも卵胞熟成の指標となりますが、排卵時期をピンポイントに予測できません。
性交していつ来院したらいいですか?
性交後、6~12時間以内に来院されてください。具体的には以下のパターンとなります。
① 前日・夜 性交して 午前中 来院
② 当日・朝 性交して 午 後 来院
★性交後20時間くらいたっても結果が良ければ問題ありません。
フーナーテストの結果が悪いときは
1回で元気よく泳ぐ精子が何匹も見られれば問題ありませんが、結果が思わしくない場合は、いい結果が出るまで検査をします。
粘液の出方には個人差があり、排卵の何日も前から出る人もいれば、排卵直前にしか出ない人もいます。
テストがそのタイミングに当たるかどうかなので、1度や2度悪い結果が出たからといって、決して自然に妊娠できないという事はありません。
頚管粘液の性状が 良好な場合は 54% の妊娠が得られます。
頚管粘液の性状が 不良な場合は 37% です。
又、何回も検査をして結果が悪くても、妊娠される方もおられます。
何回繰り返してもよい結果が得られないときは?
①精子が卵管まで泳いでいくことが困難だろうという可能性
人工授精(排卵日に精子を子宮の奥に注入すること)を行う可能性
②女性の体内で精子を結合して、精子の運動性を抑制したり受精する能力を損なったりする抗体があるかを血液検査する。
③抗精子抗体の検査