2009年実績について
今回の通信は最新の当外来の実績をご報告いたします。
H21年(1月~12月)に当外来で妊娠された方は375名いらっしゃいました。
上記はH21年に当外来でどのような治療を受けて妊娠されたかをまとめたものです。
3人に1人が排卵促進やタイミング法で妊娠され、5人に1人が人工授精(AIH)で妊娠されています。ART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)は、昨年の33%からさらに37%年々増加しています。ARTの認知度が上がり、患者様の高齢化や、精子の減少などが関係しているのではないかと推測されます。
また、卵管造影、子宮鏡、腹腔鏡後の妊娠はあわせて約10%でした。
H19~21年のAIH(人工授精)における年齢別の妊娠率を示したグラフです。
35歳からの妊娠の確率が落ちているのがわかります。
数回同じ治療を行って妊娠しない場合は、早めのステップアップが必要かと思います。
H17~21年の妊娠までのAIH(人工授精)回数を示したグラフです。
1~4回目の妊娠が多いようですが、5回目以降の方もいらっしゃいます。
他の治療法と併用しながらあきらめず続けることも大切です。
H21年のART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)における年齢別の妊娠率および周期数を示したグラフです。
ARTを受けた方の35歳以上が全体の77%をしめています。
特に40代の方が多くなっています。
40歳をすぎると卵子の質の低下の為、妊娠率は35~39歳の半分に下がります。
少しでも早めの治療が有効です。
当院におけるART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)を受けた年齢別人数を示したグラフです。
当院では、子宮内膜の薄い方、ホルモンバランスのよくない方は着床率を上げる為、肺移植を延期し、積極的に胚を凍結するようにしています。
又、凍結胚をもどす際に着床率を上げる為の孵化促進法も採用していますので、凍結胚の妊娠率が特に高くなっています。
今のところ凍結による児の奇形率や流産率の増加はないと報告されています。
トピックス H21年に当院の治療で妊娠された方
最高年齢妊娠:44歳 (人工授精)
最長不妊期間:15年 (凍結胚移植)
胚移植最多回数:4回
人工授精最多回数:7回
最少精子濃度:400万/ml
人工授精最低運動率:11%