2011年(平成23年) 不妊症外来の妊娠内分け
平成23年不妊症外来の実績
桜の季節となりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?
さて、今回の通信は最新の当外来の実績をご報告いたします。
H23年(1月~12月)に当外来で妊娠された方は334名いらつしゃいました。
上記はH23年に当外来でどのような治療を受けて妊娠されたのかをまとめたものです。 約45%の方が排卵誘発やタイミング法で妊娠されています。また、人工授精(AIH)で妊娠は16.5%でした。 ART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)は、35%でした。ARTの認知度が年々上がり、患者様の高齢化や、 精子の減少などが関係しているのではないかと推測されます。おおまかには、体外受精が35%、人工授精を含めた タイミング指導が55%となっています。
トピックス H23年の妊娠より
最高年齢妊娠 45歳(凍結胚移植)
最長不妊期間 13年(凍結胚移植)
胚移植最多回数 10回
人工授精妊娠最低精子濃度 620万/ml
人工授精妊娠最低運動率 16%
AIH(人工授精)について
35歳から妊娠確率が落ちているのがわかります。数回同じ治療を行つて妊娠しない場合は、 35歳以上の場合、早めのステップアップが必要かと思います。
ART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)について
ARTを受けた方の85%以上が35歳以上でした。特に40代の方が多くなつており、高齢化がめだち ます。40歳をすぎると卵子の質の低下の為、妊娠率は35~39歳の半分に下がります。
胚移植を行う時、子宮内膜の薄い方、ホルモンバランスのよくない方は着床率が 低くなることが予想されます。この様な場合、胚を凍結し、着床条件がよい時に胚 移植を行うようにしています。胚移植の際に着床率を上げるための補助孵化化法も 採用していますので、凍結胚の妊娠率が特に高くなっていると思われます。今の ところ凍結による児の奇形率や流産率の増加はないと報告されています。
最後になりますが、これからも一人一人の患者様にベストを尽くして全力でサポートします!
どうぞ宜しくお願いいたします!!