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2012年実績について

春深く、若葉が美しいころとなりましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?
今回の通信は最新の当外来の実績をご報告いたします。
H24年(1月~12月)に当外来で妊娠された方は409名いらっしゃいました。

さて、昨年は1年間に約600名が来院され、409名の方が妊娠されました。どんな治療で妊娠されたかですが、タイミング法で約35%、人工授精15%、体外受精などの生殖補助医療37%、その他手術など12%です。

☆AIH(人工授精)について
人工授精といいますのは排卵日に元気な精子を集めて子宮の奥卵管付近に注入する手技です。副作用も痛みもほとんどなく自然に近い妊娠で、自然性交の2倍くらいの妊娠率が期待できますのでよく汎用される不妊治療の1つです。
タイミング法を4-5回して妊娠に至らない場合は早めに人工授精をお勧めしています。
上記の結果より34歳までは3人に一人が妊娠できますが、35歳からは5人に一人と妊娠率がさがります。35歳くらいから元気な卵子が減ってきているというのがわかります。精液検査に問題のない方でもタイミングで妊娠できず、人工授精で妊娠される方がいらっしゃいます。

☆ART(体外受精、顕微授精、凍結胚移植)について
これは体外受精を受けた方の年齢別の妊娠率です。妊娠率は20代から39歳までは46%くらいで落ちていませんが40歳から急におちます。しかし、42歳までは妊娠率20%ですので体外受精で何とか妊娠は可能ではないかと考えています。当院ではARTをうける周期が1番多いのが40-42歳の方です。満足のいく妊娠率とはいえませんが、40歳を過ぎてても前向きに治療に臨んでいただきたいと思います。43歳になるとさらに半分の9.4%になります。流産率は80%となります。昨年度、当院の体外受精で妊娠出産された最高令は45歳でした。元気な赤ちゃんがお生まれになっています。

これは当院の平成23から24年の体外受精、顕微授精、凍結胚移植の妊娠率です。

最近血液中のこのAMHを測ることによってどれくらいの卵子が卵巣に残っているかがわかるようになりました。このように卵子の数は年齢とともに毎月約1000個の割合で常に失われています。またAMHは30歳以上では個人差が非常に大きいということもわかってきました。同じ30代でも40代の値しかない方も多くおられ、そういう方はより急いで治療をしなければなりません。検査は採血で料金は約6000円です。

トピックス H24年の妊娠より

最高年齢妊娠:44歳 (凍結胚移植)
最高分娩年齢:45歳
最長不妊期間:12年5ヶ月 (凍結胚移植)
胚移植最多回数妊娠:7回目
人工授精妊娠最低精子濃度:650万/ml
人工授精妊娠最低運動率:18%