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体外受精について

体外受精とは文字どおり、卵子と精子を体の外に取り出して受精させ、受精卵(胚)を子宮にもどすことです。
多くの場合、採卵数を増やす目的で排卵誘発剤が使われます。
排卵誘発剤が無効の場合には、自然に排卵される卵を使う事もあります。

体外受精の方法

1、卵子を採取   2、受精   3、受精卵を子宮に戻す

体外受精の基本的な流れ

≪病院へはどの時期に行くのがいい?≫
前周期にピルを用いる場合は、前周期の月経時に行きますが、特に必要なければ高温期からのスタートと考えてOKです。

≪夫も一緒に行く方がいい?≫
体外受精についての説明・妊娠率・費用・副作用など、ご理解いただいて、受けていただきます。
又、採血(感染の検査)が必要です。

GnRHアナログの開始

≪GnRHアナログってどんな薬?≫
排卵をコントロールするための薬(点鼻薬)です。
一般的には月経1日目より採卵直前まで毎日鼻に噴霧します(1日に3回)。

≪何の為に使うの?≫
体外受精ではできるだけ成熟した卵を採取する必要があります。
これは排卵する直前の卵という意味です。
排卵を抑えて卵を成熟させます。

≪副作用はありますか?≫
ごく稀に頭痛、吐き気が起きる事があります。

hMGの注射開始 (月経3日目~)

≪注射は毎日打たなければなりませんか?≫
点鼻薬+注射で、作用が1日ですので、毎日の注射が必要です。

≪どれくらい打ちますか?≫
個人差はありますが、7~10本くらいです。
卵胞の育ち具合をチェック

≪卵胞は何回くらいチェックしますか?≫
その人により異なりますが、3~4回くらいです。
成熟卵に近づいたか、採血してホルモンチェック(2回~3回)

hCGの注射

≪なぜhCGは夜遅い時間に打つのですか?≫
採卵を午前8時30分に設定すると、最終卵成熟のためのhCGはさかのぼって35~36時間前に打ちます。
そうすると、どうしても3日前の夜9時30分頃になるのです。

採卵

採卵の方法

1、超音波ガイド下に膣壁を通して卵巣に針を刺し、卵胞液を吸引します。
2、直ちに顕微鏡で観察し、卵子があるのを確認

≪卵はどうやってとるのですか?≫
卵子は卵胞の卵胞液の中にいます。
採卵は、経膣超音波で卵胞の位置を確認しながら採卵針を膣壁から卵巣に刺し、卵胞液ごと採取します。

≪痛くないですか?≫
軽い静脈注射をし、眠っている間に卵を採取(10分~30分)します。
終了後は3時間程度休んでいただきますと、帰宅できます。

受精・培養

≪夫も一緒に来院した方がいいですか?≫
採卵が終了したら採精していただきます。
できればご夫婦で来院するのがベスト。
昼までに来院していただければ結構です。

≪卵と精子は、いつ・どのように培養するのですか?≫
精液より運動精子を集めます。採卵後4時間ほど培養した卵子の上に良好な精子を振りかけます。
卵は栄養成分を含んだ培養液の中へいれ、大事に培養します。

胚を戻す(胚移植)

≪胚を戻すタイミングは?≫
採卵5~6日目のおよそ200前後の細胞になる胚盤胞まで育て、子宮内に戻します。

胚盤胞移植
受精卵のすべてがここまで分割するわけではありません。
年齢とともに胚の質の低下で分割が進まず、移植できない事もあります。

判   定

≪胚移植後、判定までの2週間をどう過ごせばいいですか?≫
採卵翌日より着床を助けるために黄体ホルモンを投与します。
一般的に注射を14日間続けます。
卵巣が注射の為に腫れたときは安静が必要です(卵巣過剰刺激症候群)が、そうでなければ普段どおりの生活で大丈夫です。